ドライアイ
空調のきいた室内はとても乾燥しているため、ドライアイでお悩みの方が増えてきており、現在のドライアイ患者数は日本に800万人いるとも言われています。
目が乾くことは、目の疲れや不快感をもたらすだけでなく、目が傷つきやすく眼科疾患にかかりやすい状態をもたらすため注意が必要です。
ドライアイは、涙の分泌量低下の他、涙の成分が変わってしまい目の表面に涙の膜がうまくできなくなることでも起こります。そのため、眼科検査を受けてご自分の状態に合わせた適切な点眼薬を使わないとうまく解消できません。
やっかいなことにドライアイになると、コンタクトレンズやコンピューターの使用により悪化しやすいため、特に注意が必要です。軽度のドライアイでもコンタクトレンズを装用する場合には、酸素透過性の良好な優れたものを使い、点眼治療を併用する必要があります。
ドライアイによって起こる眼精疲労の諸症状はお仕事や日常生活に大きな不便や支障を与えます。それを解消して快適な生活を送るためにも、早めに眼科専門医を受診しましょう。
飛蚊症
飛蚊症とは
目の前に、実際にはないいろいろなものが浮かんでいるように見える症状で、小さな虫やゴミのようなもの、雲のようなもの、墨を流したようなものなどが浮かんで見えます。
高齢者や近視の方に現れることが多く、あらゆる年齢層に起こります。ある日突然見えてくることもあれば、いつの間にか見えるようになっている場合もあります。
飛蚊症には重大な眼科疾患が隠れている場合もよくありますので、症状に気付いたら早めに眼科専門医を受診しましょう。
飛蚊症で受診した際に受ける検査
眼科疾患が隠れていないか、網膜や硝子体の状態を確認する眼底検査を行います。この時、眼底をすみずみまで観察できるよう、瞳を広げるための散瞳剤という目薬を使用します。
ご来院時にご注意ください
瞳を広げる目薬を使うため、検査後はしばらくの間、ものが見えにくくなります。そのため、ご帰宅の際の運転ができなくなりますので、ご自分でお車やバイク、自転車を運転してのご来院はお控えください。
花粉症
花粉症とは
花粉によってアレルギー症状が現れる状態で、アレルゲンである花粉に対して免疫という防御機能が過剰に働くことで起こります。症状が現れるのは主に鼻と目であり、倦怠感などが起こる場合もあります。
2~4月に症状が現れるスギ花粉によるものが全体の80%を占めますが、初夏や秋などに花粉が飛散するイネ科の植物や雑草による花粉症も増えてきています。
花粉症の症状
- 目のかゆみ・充血・涙目・異物感
- 目の周りやまぶたの腫れ
- くしゃみ・鼻汁・頭痛・咳など
- 食欲不振
- 不眠
- イライラ
- 倦怠感
- 集中力低下など
花粉症の症状を防ぐために
眼鏡やマスクの着用
花粉ができるだけ目や鼻に入らないようにします
人工涙液などの点眼
目を頻繁に洗うと目を傷つけることがあるため、人工涙液点眼を行います
家に花粉を持ち込まない
帰宅した際には、玄関前で衣類や髪についた花粉をしっかり落とします
花粉が多く飛散している時期には、洗濯物や布団の外干しをやめます
VDT症候群
VDT症候群とは
VDT(ビジュアルディスプレイターミナル)症候群は、コンピューターやタブレット、スマートフォン、テレビ画面、携帯電話の液晶画面といったディスプレイを集中して長時間見続けることによって発症する病気です。主な症状には疲れ目があり、ほかにもさまざまな身体の不調を引き起こします。コンピューターとスマートフォンの普及により、近年、このVDT症候群は急増しています。目のかすみや疲れ、不快感などがありましたら、早めにご相談ください。
VDT症候群の要因
長時間、画面を見続けることが大きな原因ですが、ドライアイといった眼科疾患や画面の位置など作業環境、そして適切な眼鏡の度といった数々の要因が複雑に絡み合って発症します。そのため、VDT症候群の治療では、適切な目薬の点眼とライフスタイルに合わせた視力矯正、そして作業環境の改善が必要になります。
VDT症候群の対策
人間は集中している時にまばたきの回数が極端に減るため、画面を長時間見ているとドライアイのリスクが高まります。目が乾くと目の疲れがたまりやすくなります。そのため、パソコンやスマートフォンなどを使っている時には、意識してまばたきの回数を多くしてください。
パソコンのモニター画面は、目線よりやや下にしてください。位置を目線より低くすることで最大30%の涙液蒸発を防ぐことができます。また、オフィス空間の空気は乾燥しているため、デスクワークをされている方は卓上に加湿器を置くことも有効です。
また、眼鏡の度数はライフスタイルやお仕事内容などによって適切なものが違ってきます。単に遠くがよく見えるといった度数の眼鏡はデスクワークには向きません。特に30歳を超えるとピントを合わせる調整力が低下していきます。眼科専門医に相談し、お仕事の内容や生活環境、ライフスタイルにしっかり合わせた視力矯正を行いましょう。